毛のお手入れ(Plucking)

 オーストラリアからジャックラッセルテリアが日本に入ってきた頃は、ジャックラッセルテリアは今のようなトリミングではありませんでした。ドッグショーでも毛を整える程度のプラッキングでした。

当時は、スムース、ブロークンが多くラフは非常に少なかったです。ラフはラフらしいトリミングだったように思います。今はラフの子が大変増えてきました。

 

 さて、日常の毛の管理ですが、ジャックラッセルテリアは、1年中、毛が抜ける犬種です。死毛をそのままにしておくと、血行が悪くなり皮膚にも良くありません。

ジャックラッセルテリアの毛質は硬くなければなりません。ジャックラッセルテリアの場合、毛質の良い子はベビーコートが抜けた時点で既に硬いです。しかし、毛質の柔らかい子はプラッキングをすることによりある程度は毛が硬くなります。

ジャックラッセルテリアは、スムース、ブロークン、ラフの3種類のタイプがあります。毛の長さはまちまちで一頭、一頭全て違います。よって死毛のサイクルも個々のわんちゃんにより全て異なります。プラッキングをする時は、自分のジャックラッセルテリアの死毛のサイクルを把握する事が大切だと思います。

ラフの毛のサイクルは考えても分るように長いです。その子を短くキープするには、プラッキングをするサイクルを短くしなければなりません。医学的に考えても分るようにそれは健康な毛を抜くと言うことです。健康な毛を抜くことは皮膚のトラブルや繰り返し抜くことにより毛根が死んでしまいます。ラフのプラッキングは気をつけましょう。

短めのブロークンの子は短く管理出来るでしょう。自分の犬の毛のサイクルを見極めましょう。

 

 また、オーストラリアで改良をされたジャックラッセルテリアには、色々なテリアやコーギーも改良の中に入っていると言われています。テリアに似た毛質はプラッキングに適しているでしょう。しかし、全てがそれに当てはまるとはいえません。自分が飼っているジャックラッセルテリアの毛質を良く見極めることが大切です。

[JKCスタンダードより抜粋::: ※毛(ヘア-)スムース、ブロークンあるいはラフ。風雨に耐えられねばならない。スムース又はブロークンにするために被毛を抜き取ってはならない。]

プラッキングをする時は、正しい知識を持って正しく行いましょう。毎日、ブラッシングして抜け毛を防ぐのも良いでしょう(注1)。また、地道な作業になりますが指で毛をつまんで抜ける毛だけを抜く(とびとびではなく1箇所を念入りにそこから徐々に範囲を広めていく)のも良いでしょう。アンダーコートは、ナイフを皮膚に平行に走らせると死毛が抜けます(注2)。コートキング、ファーミネイターなどでもアンダーコートを簡単に取ることが出来ます。(注3)。死毛を定期的に抜く事により血行が良くなり、毛に層が出来て見栄えがします。

注意 耳の毛も抜くことが主流になっていますが、子犬の時にお耳を触ると神経質な子や耳が立ちやすい子などは、常に耳に神経がいって立ってしまう子もいます。子犬のうちは出来るだけ刺激を与えないようにしましょう。

                                 2022/03/07



注1. スリッカーブラシなど。(アンダーコートが取れやすいタイプ)

注2. ナイフの刃を皮膚にあてて擦らないように注意する(少し浮かせるイメージ)。

注3. 沢山毛が抜けますが、刃が付いているので削ぎながら抜くタイプ。(注意:オーバーコートは切れてしまいます)